笠間焼きで有名な茨城県笠間は、実は日本一の栗の生産地だったのです。その栗の美味しさを台東区谷中にある「和栗や」が伝えています。
小さな商店が並ぶ谷中銀座は、大勢の人で賑わっていました。
東日本大震災直後、「建築家は何ができるのか?」と呆然としながらネット検索していた時に、細野透氏のサイトを見つけました。
その後も時々覗いていたところ、谷中銀座の記事に出会いました。
谷中銀座のような路地空間は防災性能から考えた場合、決して安全とは言えず、道路の拡幅などの整備が必要だとする考えがあるようです。
しかし、細野氏は西村幸夫著の「路地からのまちづくり」に書かれている「路地に息づくコミュニティの力が災害の被害を減らすことに寄与するに違いない。防災ではなく減災を考えると、路地に象徴されるコミュニティの存在が有効なのではないだろうか」という主張に対して、「東日本大震災を経験した後でも、十分な説得力を持っていると思う。」と記していました。
この記事を読んでからずっと、谷中銀座の写真を撮りに行きたいと思っていました。
そして、最近、谷中銀座で「笠間の栗」を食べることのできるお店の存在を知り、出掛けてみることにしました。
「すずき」は、メンチカツが人気の店のようで大勢の行列ができていました。
谷中で売るっている雑貨は素朴。看板や雑貨の陳列の仕方も素朴です。
「和栗や」に到着
店先では、栗を焼いて売っていました。
中の席が空くまでの間、店の外のベンチに座りながら焼きたてを頬張ってみてください。
さ~、ようやく食べることができます!
モンブラン2種
上は、季節限定で大変希少な「人丸(ひとまる)」という品種の栗を使ったモンブラン。
11月末で今年は無くなってしまうのではないかということでした。
下は、主に「丹沢」という品種の栗のペーストを2種類、層を分けて使うというこだわりの
モンブラン。
どちらもリキュールなどを使っていないため栗の香りを思う存分楽しむことができます。
甘さに関しては、中に挟む生クリームを無糖にして、栗ペーストの甘さを引き立てつつ最適の甘さになるよう工夫がされています。
最下層のシュワシュワのビスキュイ(ビスケット風)はバターやショートニングを使っていず、食感のアクセントにはなっていますが、栗の風味を邪魔していません。
最高のモンブランでした。
(これらを食べる前は、函館で食べたモンブランがN0.1でした)
お店のスタッフの皆さんとても親切
でも「モンブランは、お持ち帰りはできません」と伝えられ、仕方なく栗大福を1ヶ買って帰りました。
しかし
その栗大福「栗薫大福」も、最高。
モチッとした食感の薄茶色の求肥に包まれた栗餡は、栗のつぶつぶも入っている滑らか栗クリーム(まるでクリームのようなのです)
「和栗や」で見つけた笠間焼きの器
茨城県笠間でのイべント「陶炎祭」に行った時の様子は、こちらから
東京都台東区谷中3-9-14
TEL 03-5834-2243
11:00~19:00
月曜定休
台東区谷中に行くと、「和栗や」だけではなく、佃煮やせんべい店などが所狭しと並び、懐かしい雰囲気を楽しむことができます。また、長い時間をかけて築いてきたコミュニティーの存在があるからこそ、ここに住む人や訪れる人の心を惹き付け、この商店街独自の賑やかさを感じさせるのかもしれないと思いました。
(写真撮影 2012年10月2日) 塚田眞樹子建築設計