珍しい稲干し風景と米料理

2012年 1月 24日
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平泉に向かう途中で見つけた珍しい稲干し風景。思わず、車を降りて「写真撮ってもよろしいですか?」と声をかけてみました。

 
 
 


「いいですよ!」と快諾してくださり、とびきりの笑顔を見せてくれた奥州市胆沢区の佐藤ミサ子さん。

この干し方は「棒掛け」(他には「ほにょ」「杭掛け」など)と呼ばれる、稲を天日乾燥させる方法のひとつ。

「稲架(はさ)掛け」という梯子を横に長く並べたようなものに稲を掛けているのは見たことがありますが、このような干し方を見たのは初めてです。干し方の違いは、それぞれの地域の気候風土などと関係しているようですが、この「棒掛け」は東北南部で良くみかける干し方のようです。

 
 
 


きれいに丸く積み重なった稲穂のかたまりが、行儀よく並んでいる姿が印象的です。

稲を逆さまに吊るすことで、稲穂の油分や栄養分、甘みが最下部の米粒へ降りてくると言われています。

晩秋の穏やかな風と陽を浴びた米が、美味しくないはずがありません。

 
 
 


中尊寺に到着し、駐車場近く見つけた「平泉 農家茶屋」でお食事。

ここに来る途中で見かけた「棒掛け」の方法で天日干しされた「米」や「米粉で作られたうどん」を食べることができます。

まずは、「ずんだもち」。
岩手県の南部は、もち料理の店がたくさんあります。やはり、この店にもありました!

いつも思うのですが、ずんだもちは色が鮮やかで白の餅の色との組み合わせが美しい。
「大根おろしをまず食べてください、消化を助けます」とのこと。

 
 
 


「前沢牛カレー」

贅沢に岩手県特産の前沢牛がごろごろ入ったカレー。
牛肉の放射能汚染の報道の後で、解禁されたばかりでした。

 
 
 


「ごりやく天ぷらうどん」

有機米ひとめぼれ90%、ばれいしょでん粉10%のコシの強い麺の上に、天ぷらがのっています。
はじめて経験する食感の麺でしたが、天ぷらの油分との相性が良いと感じました。

農家茶屋の所在地:岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関34-13

 
 
 


美しい散居風景や働く人に触れ、そしてそこで採れた物を食べ、日本の農業を守りたいと強く思った旅でした。

 

(写真撮影 2011年9月12日)) 塚田眞樹子建築設計