紺屋町の「ござく」と「番屋」

2011年 11月 23日
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盛岡市紺屋町では、現代建築の中に古い伝統的な建物が点在しています。その中で、保存建造物指定になっているものを訪れてきました。

 
 
 


盛岡市では都市の美的価値に注目し、景観の保全のため、ゆるやかな建物規制を行なっており、古い建物の保存にも力を注いでいます。

茣蓙九(ござく)は「ござく森九商店」として、現在でも紺屋町で現役の雑貨店として商売を続けています。

 
 
 


格子戸、低い軒が特徴的な「ござく森九商店」

朝、到着した時は、ご覧の通りの寂しさで、思わず「閉店してしまった?」と思いました。
写真だけ撮って帰ろうと思いましたが、、、あきらめきれず調べた電話番号に電話をしてみたところ「日曜日はお休みなのです」とのこと。

安心しました。

 
 
 


湾曲した道路の形状に沿って、建物が増築されていったようです。

時代により軒の高さや壁材そして屋根の形状など統一性がないようにも見えますが、どの時代でも低い軒を道路に面して設けその屋根材には瓦を使い、過去を意識しながらの増築であることが推察できます。

 
 
 


道路のコーナー部分の屋根は、まるで竜が這っているように見える形状の屋根です。

 
 
 


屋根の上に望楼(ぼうろう)をのせた木造の西洋様式建築物「紺屋町番屋」

○「望楼」とは、常に見張りを置いて火事の発生の発見に努めるための施設です。

1913年(大正2)に盛岡消防分団として改築されたもので、保存建造物指定になっています。

この近所には、1911年(明治44)竣工の東京駅を手掛けた辰野金吾と葛西萬司の設計による旧盛岡銀行(現在は岩手銀行)がありますが、これも保存建造物指定となっている西洋様式の建築物です。ただし、レンガ組積造で、技術・様式共に西洋の歴史的なものを採用しているため重厚かつ壮美であり、この番屋とは対照的な存在とも言えそうです。

 
 
 


「盛岡市 第五分団」と書かれたシャッターは、後ほど改修されたもののはずですが、違和感はありません。

文字デザインもファサードのキーポイントとなっています。

 
 
 


望楼は、下部の番屋と同じ下見板に水色とグレーを混ぜたような色を塗装した外壁材で階段を囲い、赤い屋根を載せています。

下部と同じ外壁材を使用かつ六角形の形状のためか、下の赤い屋根を突き破って生えているようにもみえ、楽しい町並みをつくりだしています。

上に風見鶏の飾りがあります。

紺屋町は、もっとゆっくり散策すると、楽しいものをたくさん見つけることができそうです。

 

(写真撮影 2011年9月11日)) 塚田眞樹子建築設計